Free Traveler

山、川、海が育む自然を対象に、なまら旅して、なまら撮る。

伊豆大島〜離島で過ごした夏の旅〜

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 2017年08月17日〜20日

 伊豆諸島北部にある伊豆大島に夏の盆休み明けを利用して行ってきました。行政区分は東京都大島町になり、東京都心からほど近い場所にある伊豆諸島最大の島として有名です。

 天気不順な日が続いた2017年の夏でしたが、夏休み後半を利用して人生初の離島を満喫してきました。

1日目|海が見えるキャンプ場

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 11:00pm

 甲子園で盛り上がる夏休み後半戦、僕たちは都心の喧騒を掻き分けて竹芝フェリーターミナルを出航した。北海道に帰省する以外でのフェリー乗船はワクワクしてすぐには眠れず、とりあえずビールとハイボールで寝つきを良くした。

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 翌朝、船内の暑さで目を覚ました頃、フェリーは伊豆大島の玄関口である岡田港に到着しようとしていた。伊豆大島では、当日の海の状況により岡田港もしくは元町港に到着が決まり、それに合わせて島の公共交通機関も動いてくれるシステムになっている。

 予報では晴れだったが、朝の時点では重苦しい雲が島全体に立ち込めている。今年の夏は不安定な天候が続き、快晴とは無縁な日が続いているためこの旅ぐらいは快晴を願うばかりだ。

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 朝一番で伊豆大島に到着しても特にすることはなく、島内で唯一(?)朝から営業している御神火温泉で昨夜からの汗を流し、今後の予定について確認し合った。

 今回の僕たちの旅では、島の中心に位置する三原山に登ることが目的の一つにある。天候は明日のほうが良いだろうと判断し、この日は大島を楽しむことにした。

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 海辺で伊豆大島牛乳とアイスを販売しているおじいさんがいた。大島の子どもたちは給食で大島牛乳を飲んでいるため「本物の味」を知って育っていると言っていた。経営は赤字だけど、将来の子どもたちの「食育」のために製造を続けている生き様を見せてくれた。

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 元町から本日のキャンプ場へ移動するため、専用の送迎バスで移動。

 当たり前かもしれないが、どこまでも海が広がっている。

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 海のふるさと村(以下、海ふる)に到着した。そこは海と山に囲まれた自然溢れる隠れ家のような場所で、東京都の一角を成しているとは想像しにくい現実が僕たちの目の前に広がっていた。

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 テント場からは絶好のロケーション。

 今回は利用しなかったが、海ふるでは常設テントもあるため、重い荷物を持ってこなくともキャンプができる手軽さがある。

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 プールで遊び、夕食前にキャンプ場内の研究路を探索した。途中から険しくなり、サンダルで来たことを悔やんだ。

 次第に日が沈み夜が深まると、島を照らす星空が延々と続いていたが、突如雷と豪雨に切り替わり、僕たちがいる薄いナイロン生地のテントに降り注いだ。最後に島の天気は変わりやすいということを身を以て感じ、なんとか初日を終えた。

2日目|テキサスコース

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 06:19am

 昨夜の豪雨も朝には収まり、森の中で深く呼吸をしてから朝食の時間を迎えた。

    僕たちはテントを撤収し、キャンプ場が実施している送迎サービスを利用して、登山開始地点へ向かった。

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 歩き始めに大雨に打たれ、この先が不安になったが、次第に空と海の色が同じになってきた。

 今回はテキサスコースからアプローチし、三原山温泉に下山する計画を練った。テキサスコースは、その名の通りアメリカテキサス州のハイウェイのような道が伸びていた。観光ついでのメジャーなルートではないかもしれないが行く価値はあると思う。

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 「This is TOKYO,too.」

 振り向いたとき、外国人が思わずそう呟きそうな景色が広がっている。

 すぐ横には「裏砂漠」と呼ばれる火山活動の一環でできた溶岩原である日本唯一の砂漠がある。国土地理院の地図上で砂漠という表記があるのは、この伊豆大島だけだ。

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 三原山は活火山であり、1989年に噴火の際、島民全員が避難をしている。次の噴火がこの瞬間起きても不思議ではないことを思うと、日本という火山大国で活火山に登ることを改めなければいけないのかも。

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 三原山中央には、大きく切り立ったカルデラ噴火の跡が垣間見える。

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 三原山ゴジラの生まれたモデル地として使われているらしく、お土産にもなっている。

 火口のお鉢巡りは雲がとれて青空が見えたり再び隠れたり、島一番の高い場所は海からの気流の影響を大きく受けるようだ。

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 全島民避難をした噴火の際、無傷で残った三原神社が歴史的にも有名な場所となっている。社の周りには当時降り注いだ大きな溶岩石がいくつもあることを考えると、無傷だったことが奇跡に近いと思える。

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 三原山から一気に下山し、三原山温泉へ滑り込んだ。

 最高のロケーションと源泉掛け流しの湯を求めてくる人も多いと聞くが、その気持ちもわかる気がする。

www.oshima-onsen.co.jp

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 三原山温泉から最終のバスに乗り、島の起点となる元町港へ。

 疲れた身体には大島牛乳で本物の栄養を摂取する。

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 元町港で買い出しを済ませ、本日の宿となるトウシキキャンプ場へ向かった。

 写真は伊豆大島でバームクーヘンと呼ばれている地層大切断面。このバームクーヘンが伊豆大島の火山の歴史と言っても過言ではないと書いていたが、見れたのはバスから見たほんの数秒だけ。

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 昨夜とは一転、綺麗なシャワールームや自動販売機もないただのキャンプ場。でも不便で何もないからこそ、いつもなら見えないものに気付くこともある。

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 「あ、富士山!」って思ったら隣の利島だった。

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 ここにもあった天然のバームクーヘン。

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 日が沈みかけた頃、海岸から戻るとキャンパーが少し増えてきた。本州のキャンプ場のように、隣同士がくっつくような状況にはならないのが島の良さだと実感できた。

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 夜になると島の反対側では雷雨がしばらく続いていたが、僕たちのいるトウシキキャンプ場は平和そのものだった。移動してよかった。。。

 写真右の家族は、もう1週間このキャンプ場にいると言っていた。トイレの電気の電源を慣れた手つきで付けているのには驚いた。

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 僕たちがこの日観た星空はなぜだかいつもより近くに感じ、自分たちの立ち位置が曖昧になるような不思議な時間の中に自然と身を委ねていた。

 「これが島時間なるぬ島タイムか。」と勝手に解釈しながらしばらく夜を楽しんで、最後のテント泊を楽しんだ。

3日目|波浮の港

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 最終日はどんよりとした天気でスタートした。帰りのフェリーまでまだ時間があるため、僕たちはテントを撤収して波浮港へ向かった。

 波浮港は元々噴火口だったが、元禄16年(1703年)の大地震時に津波で海とつながり、その後人の手を加えて今の港が開港した歴史がある。つまり、波浮港は活火山有する伊豆大島ならではの港であると言える。

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 バスから降りて感じたことは、とてもゆったりとした時間が流れ、ノスタルジックな雰囲気漂う港だということ。人気が少ないことだけが理由ではないと感じる。

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 波浮港には、注文が入ってからコロッケを揚げ始めてくれる「鵜飼商店」という肉屋さんがある。揚げたてのコロッケを店先で食べていると、子どもの頃に駄菓子屋でお菓子を買ってみんなで食べていた頃をふと思い出した。波浮港はそんな子どもの頃を思い出させてくれる場所だった。

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 「波浮の港」という波浮港を一躍有名にした歌があり、その歌を鳴らす鉄筋が港側にあった。やり方がわからなかったが、近くにいたおじさんが「きっとこうじゃねぇか?」と的確なアドバイスをくれたおかげで綺麗に奏でることができた。

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 午前の帰宅便に間に合うように元町へ戻ると、土曜日から来ていたであろう観光客でターミナルは賑わっていた。

 僕たちは朝から変わらず雲の中に隠れた三原山に別れを告げた。

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 帰路は約2時間の短いジェット船による船旅。ジェット船を使えば日帰りも可能なため、釣りをする人は夜行船と一緒によく利用しているそうだ。

 少し昼寝をしている間に高速船は竹芝フェリーターミナルに到着し、船から降りるとそこはいつもの東京の空気だった。

 

伊豆大島を旅して

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 テントの中で寝ているとなんだか寝苦しく汗が止まらない。。。

 それもそのはず。僕たちがいた場所は東京都心からわずか120kmしか離れておらず、緯度でいえば伊豆の下田とほぼ同じでした。標高は海抜数mだから潮風も吹き付けて蒸し暑いのは当然のことなのかもしれません。

 この海に囲まれた活火山はそれほど近い場所であるにも関わらず、本州本土では味わえない自然の雄大さが存在することを知りました。

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 今回、島を存分に味わうためにレンタカーではなくバスを利用したり、宿ではなくキャンプ場でテントを利用したりと、島の時間に自分たちを合わせるように工夫をしました。結果的に不便な部分もあったけど、急ぐことのない島の流れに身を委ねれば、より一層島旅の純度が高くなると感じました。

 これを気に夏の島旅が病みつきになるかもしれませんね!

 皆さんもぜひ離島で夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。

伊豆大島の位置